蛇神覚醒　〈灰色の右手〉剣風抄

西の国サンナ村の片隅でひっそりと暮らすゴルカンのもとへ来客があった。北の国から来たという若者は、ワドワクスと名乗った。
ワドワクスは意外なことをゴルカンに告げる。彼は、ドゥイータと結婚することになっていたが、その彼女が失踪した、と。
かつて、まだ少女だったドゥイータは、当時、北の国の衛士隊長だったゴルカンと親しかった。しかし八年前、彼女を巻き込んだ、北の国を震撼させた事件をきっかけに、ゴルカンは衛士を辞め、都を捨てて隠遁生活に入ったのだった。

折しも、サンナ村には怪しげな蛇神崇拝者の集団が姿を現す。ゴルカンとワドワクスはドゥイータを追ううちに、地上界を揺るがす巨大な事件へと巻き込まれてゆく……。

〈灰色の右手〉の異名を持つゴルカンの活躍を描く、ファンタジー・ハードボイルド長編小説。