第7話 天井の高い部屋

 混濁した意識から現実に呼び戻される。

(なにか見える気がする・・・ここはどこだ・・・?)

 アランの意識は次第にはっきりしてきた。自分がベッドの上で寝ているということはわかる。しかし、なぜここにいるのかが思い出せない。彼は冷静に自分の行動を追った。

(襲われたんだったな・・・そうだった・・・)

 あの夜の出来事を思い出す。

(例の発見に何か関係があるのだろう・・・私はパンドラの箱を開けてしまったのだ・・・)

 だんだん目の前が明るくなって物が見えるようになってきた。

(この部屋はなんだか変だ・・・病室のようだが正面にある扉を除いて窓はなくのっぺりとした印象だ。それに・・・とても天井が高い。私は誰に捕まったのだろう・・・?反跳躍団体か・・・?)

 アランは自分の身にこれから起ころうとしていることについて考えた。

(こんな得体の知れない者に捕まってどんな恐ろしい未来が待っているのだろうか・・・)

(あっ・・・)

 彼は息を呑み目をつぶった。目の前で扉が動き始めていたのだ・・・

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