心の傷を乗り越え、使命を全うする意志の強さに世界は切り開かれていく―。

『命の天秤』の心理学シリーズの続編として、高村香澄を中心に新たな登場人物エリノア・ベルテーヌや心理学サークルのメンバーが加わり、ワシントン大学を舞台に事件の予兆を思わせるミステリー要素も含めた雰囲気の中、物語が展開していきます。プロファイリング的手法を描きつつ、事件が深刻にならないようにする配慮や事件当時者への精神的配慮についても臨床心理士としての心理学的解決法を示していると思いました。サンファン諸島での旅行のシーンでは観光名所、ライム・キルン・ポイント州立公園でのオルカ(シャチ)ウオッチやぺリンダバ ラベンダー農場で寛ぐシーンを爽やかに描き上げ、香澄たちの活発で若々しい魅力も伝わるヒューマンドラマです。