座談会Side 2/3
No.0003白鏡輪はアジトで【命のユースティティア】を聴いていた。
コンクリートに囲まれた四角い部屋。真ん中に四角い共有スペースを設け、その周りを3等分し、各々の個人スペースとして使っている。
ここには[座談会]のメンバー以外は、エイチの友達か玩…悪人しか来ない。
「タダイマー」
足元を見ると[座談会]のメンバーの一人、No.0001エイチが影の中から頭を覗かせていた。
「君さ、足元から出てこないでよ」
「ここにいるのが悪い」
影の中から手を伸ばし、安楽椅子を掴むと一気に体を引き上げた。盛り上がった筋肉は、細い体には不釣り合いだった。
「ユースティティアか。」
腰を落ち着かせた彼女は目を閉じると、深い眠りに落ちて行った。
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深い森の奥でワタシは木の間を走っていた。誰もいない静かで自由な…
「ソーニャ!」
声が聞こえた。小さな男の子の声だ。どこか愛おしい…
「ソーニャ!」
見えた。あの子が…ワタシの子が…
「あ」
”彼”はガキどもに押さえつけられていた。
「うわあ!」
「狼だ!」
「逃げよう、ヴィクトル!」
ワタシの子を離せ!
一人に噛み付く。そいつは泣き叫びながら逃げて行った。他のやつらも後を追う。
「ソーニャ。ありがとう」
お前が無事ならそれでいい。奴らがまたいじめたら助けてやる。
「森に行こう。そこなら誰にも邪魔されないさ」
ああ。遊ぼうか。ワタシの家まで競争だ。
「あっ待ってよ」
ワタシはお前の味方だ。ワタシの可愛いイヴァン。
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