エSide

夜の街をエイチはのんびりとした歩調で歩いていた。私は夜が好きだ。闇に染まったこの街は私達の遊び場だ。

ビルの角を曲がった。そこから先は曲がりくねっていてよほどのものでないと迷うだろう。

「…」

追跡者は私を追いかけ続ける。そろそろちょっかいかけるか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

追跡者が角を曲がるが、その先は袋小路だった。誰もいない小路を見回す。

「…!」

体中にチクリとした痛みを感じる。だが半径30cmには何もない。あるのは闇だけだ。

「…何の用?」

足元から声が聞こえた。下を見ると女の首が落ちていた。

いや、女の体は影の中に””。

「あんた…」

女の額に銃口を向ける。

「!?」

夜の街の奥で消された銃声がなった。

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