座談会Side 3/3

「…ん。」

「あっ起きた。白ーエイチが起きたでー」

なぜか血まみれのNo.0002悪運がエイチの顔を覗き込んでいた。

あたりには香ばしい匂いが立ち込め、エイチはお腹が空いていることに気がついた。

「起きたかい?早く食べないと冷めちゃうよー」

共有スペースに置かれたテーブルの上には煮込みハンバーグが真っ白な皿に載せられていた。

「すまん」

「いいよ。珍しくぐっすり眠れてたようだし。それに幸せそうだったしね」

安楽椅子を動かしていた手が止まる。

「そう…見えたか?」

「せやなあ。めっちゃ幸せそうやったで」

確かにあの時は幸せだった。あの子がくれた首飾りはまだ大切に持ってる。

「いつの頃の夢だい?」

「知りたいのか?」

二人はお互いを見つめ合った。二人は私の過去を知っている。あの日以来ずっと引きこもっていた私にとってとてもつらい記憶であることも。

「…13世紀前だ」

「それめっちゃ昔やん!」「それめっちゃ昔じゃん!」

二人同時に言葉を発した。お互いを見合うと自然と笑みがこぼれた。

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夕食を食べながらお互いの報告を済ませた。

「次は何するん?請求書叩きつけてしもたし」

「そうだね。おそらく奴らは何としてでも探し出そうとするからな」

「何なら〈アリーナ〉に来てもらうか。餌は誰にしよう」

エイチは片付けたテーブルに893全員の写真を並べながらいった。中には油性ペンで❌と書かれたものもある。

「こいつはどや?」

中国鍋をかき回している横山栄一の写真を指差す。

「いや、こいつは副長さんの直属だから連絡係になってもらおう」

「こいつは?」

カフェでチョコケーキを食べている中島の写真を指差す。

「ああ、かんにんな。さっきこいつ殺してもうた❤️」

『おい』

赤い油性ペンで❌と203050/××/〇〇 by Bad_luckと書き込む。

よく見れば他の写真にも日付と英語で書かれた名があった。

「こいつにしようよ。うまくかかってくれそう」

白鏡輪の指先には街を歩いている鳴海の写真があった。

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