寸劇
寸劇――
「ラン、今日はちゃんと用意できたわよね?」
「はい。仰せの通りです」
机に二つのカップが置かれる。
「……う~ん。これよこれ。私が探し求めていたのは。」
彼女の向かいに座るリージュは、出されるやいなや中身を一気に飲み干す。
「……ねえミリ、これいつものコーヒーと何が違うの?」
「あら、わからないかしら? リージュの舌は、その博識な頭にふさわしくないようね」
「その手には乗らないわー。怒っても利益なし」
「リージュ様、こちらのコーヒーは豆が少々特殊なものでして……」
滑らかなメイドの説明に、少々興奮気味のミリが割り込んでいく。
「あのね、この特別なコーヒーは、実の果肉を故意に残して熟成させたものなの」
「ふんふん。でもいくらこだわったところで、“お子ちゃま”の舌には苦いもの」
「はあ。どうしてこの高貴な香気がわからないのか、理解に苦しむわ。見ためと香りの差異が、脳を欺く。黒くてニガいコーヒーと思いきや、意外にもワイニーで……」
その一言に、リージュは異常なまでに惹きつけられる。
「何!? ワイニーですって?」
「え、ええ。そうとしか表せないと思うけど」
「卑猥なオナn……」
「そこまでですよ?」
ランによる鋭い口止めが炸裂する! 両手に何を持っていたかはご想像にお任せする。
閑話休題本編へ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます