変わっていくもの、変わらないもの

戦後10年もたたない時期、急速な復興のより人々は過去の忌まわしい記憶へ背を向け、新しい希望を見ていただろう。

それでも、近くの基地から戦闘機が落ちる。否応無く過去に縛りつけられる中でも、確実に生活は変化している。
虚弱体質などの理由からか、兵役につかなかったと思われる太郎が、斬新なアイデアや機知をもって人々をリードする。七夕の飾りが町を彩る。

変わりつつあるものを本能的に嫌悪していた昌子が、次第に折り合いをつけられるように成長する姿が丁寧に描かれている作品。

余談だが、昌子の彼に対する気持ちがその後変わったのか、変わらなかったのか。そこは、カメのみが知る話なのかもしれない。

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