ミステリィおたくの貴様ら方よ、これぞ真の読者参加型ネット小説であります

 昨今『ゲームみたいな』ミステリィ小説は別に珍しくはないが、本作は何と最初から『ゲームであることが前提』のミステリィ小説だ。

 例えば、読者がいつでもコメント等を述べることができて、作者のほうもこれまたただちに作品に反映することができるといった、ネットならではの特長を最大限に生かした、これぞ時代の最先端を行く作品とも呼び得るだろう。

 よって、本作は最初からすべてにおいて、読者が本作をゲームとして見なし、自らも参加し、我がことのように楽しむことができるように、徹頭徹尾設定されており、登場人物は主人公やヒロインも含めて単なるゲームのコマに過ぎず、ストーリー自体もただの状況説明でしかなく、重要なのは全キャラ揃っての推理討論のフェーズのみとなっている。

 言ってみれば、ネット小説版『人狼ゲーム』であり、TRPGであるようなものだ。

 しかも何よりも驚きなのは、いかにもトリックスター的なぬいぐるみ型AI『ポリス君』として、文字通り『作者』に該当するキャラクターが作中に存在していて、このゲーム世界のすべてを仕切っており、登場人物の中に潜みすべてを操っているはずの『真犯人』すらも、単なるゲームのコマとして扱っていて、最初からこの世界が現実なんかではなく、小説やゲームの世界であることを明らかにしている点である。

「──よって読者の『貴様ら方』においても、別に主人公等に感情移入する必要なんてまったくなく、この小説におけるすべてをゲームと割り切って、存分に楽しむがいいであります!」(byポリス君)

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