街を愛し、子供たちを見守る。その思いが「ふるさと」になる

ふるさと。この言葉からは、山村や漁村の風景がイメージされやすいと思いますが、この作者さんのふるさとは東京の錦糸町。そこで育ち、何十年も街を見てきた人です。

歴史ある寺社。人工的な自然でありながら、長い歳月の中で街と一体化している木立や運河。庶民の暮らしが香る街並み。そういったものが描かれているだけでなく、猥雑さやがさつさ、外国人の多さ、都市の画一化の波を受けている面もあり……。

でも、そういう面も全部ひっくるめて、

錦糸町が好きだ

という思いがすごく伝わってくるエッセイです。

私は錦糸町に何の縁もありませんが、それでも、こんな風に自分の街を愛し、そこで育つ子供たちを見守っている大人がいることが嬉しい、と感じました。

終盤では、大人たち、子供たちが一体になって街(墨田区)をPRする映像作品をつくるプロジェクトが語られますが、これは実話に基づく話(『うまい棒が一万本〜』というタイトルはそこに関わっています)で、その映像作品はYoutubeで見ることができます。

このエッセイとともに映像作品(短いです)もぜひ見てください。

「さえずり時々スカイツリー」

錦糸町という街に、きっと行きたくなります。

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