概要
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- ★★★ Excellent!!!春、枯れ逝く私と芽吹く悲劇にさようなら。
じんわりと染み渡る、劣情と愛情と恋情。
彼らは良くも悪くも他人同士だから、その距離感は近いようで遠い。
理解からは程遠い「どっちでもいい」という言葉は、優しいようで冷たいようで、それはまさしくこの季節に吹く春一番のようだ。
軽快な台詞回しは一つ一つが長くなりすぎず、短い言葉のやり取りがリアルな「会話」となって頭に入ってくる。
シチュエーションとしては少し非日常的で、でもそこから展開される物語は地に足のついた等身大の世界である。
はじめから終わりまで、ぽかぽかとしてふわふわとした心地よい時間が流れていて、読んでいる間はここが桜と桃に包まれたきらびやかな隔世であるかのように錯覚できる。
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