ほんの出来心で誰かになった。それがあまりに重いものと知らずに。

宝くじが当たって五億円を手に入れた。仕事をやめて自由に生きたい。
そんな、誰もが一度は思い描いたこと。
だけど、それは果たして本当に幸福になれるのだろうか。少なくともこの物語の主人公はそうではなかった。

学生時代に誰かにとっての特別ではなかった彼は、新天地で新たな人間関係とともに歩き出す。だけど、自分の下に届いた宛先違いの郵便を開けてしまったことで、全てが変わってしまう。

停滞と焦り。五億というお金を持ち、自由に動けるからこそ感じる不自由な感覚。
犯してしまった過ちを清算するために、彼は動き出す。

第一部完結。
まだまだ謎の残る物語ですが、主人公の周りの人間がこれからもどのように物語にかかわっていくのか、注目していきたい作品です。