代官山ディオゲネスボーイズ

作者 十龍

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★★★ Excellent!!!

宝くじが当たって五億円を手に入れた。仕事をやめて自由に生きたい。
そんな、誰もが一度は思い描いたこと。
だけど、それは果たして本当に幸福になれるのだろうか。少なくともこの物語の主人公はそうではなかった。

学生時代に誰かにとっての特別ではなかった彼は、新天地で新たな人間関係とともに歩き出す。だけど、自分の下に届いた宛先違いの郵便を開けてしまったことで、全てが変わってしまう。

停滞と焦り。五億というお金を持ち、自由に動けるからこそ感じる不自由な感覚。
犯してしまった過ちを清算するために、彼は動き出す。

第一部完結。
まだまだ謎の残る物語ですが、主人公の周りの人間がこれからもどのように物語にかかわっていくのか、注目していきたい作品です。

★★★ Excellent!!!

学生時代、誰からも「気がつかれなかった」存在である僕は、代官山という異世界(彼にとっての)で、新たな生活を始めます。

代官山という奇妙な町を丁寧に描きながら、ひとりの青年が、人々と交流し、そして仲間を得ていく。成長物語の王道、そして探偵物語の序章ともなっています(26話目までの感想です)。

人物たちがお互いを認め合うのと同時に、人間の止まらない狂気が描かれていることにも注目したいところです。誰だってそこまでいってしまう可能性はある。踏みとどまるために必要なのは? きっと大輔が得たものにヒントがあるような気がします。

ぜひ、続きを書いて欲しいと願っています。

消えてしまった探偵、インゴッドは現れるのでしょうか!?

読まれた方は、代官山を歩くたびに彼らのことを思い出すでしょう。池袋にいると、Gボーイズたち(石田衣良『池袋ウエストゲートパーク』)の存在を感じるように。