書かれないのに軌跡が見える

ふわふわ、ことばの生み出す空白や行間の中に、ほんらいの真面目な性格やおばあちゃんとの絆が見えるようです。まるで、途切れながらも続く一本の煙のように。線がすくなくともよくそのありようを伝える、すぐれたデッサン画のように。
海月のふわふわとした感じが全体構成や文体にも通底している、世界観がすてきな作品だと思いました。