先輩とのたったそれだけの距離なのに。

 面白かったし、とても読みやすかった。単なる飲み会の中の本の一コマを描いた作品なのに、終始ドキドキが止まらない。この短い作品の中なのに、多くのキャラクターたちが生き生きしていて、人間関係が巧く描けている。単調になりがちな恋愛小説の流れを、これほど見事に魅力的に描ける作者様の技量はさすがだといえる。
 以前の飲み会でひどい目に遭った主人公は、不器用な女性を助けようとするが、そこに憧れの先輩が現れ、女性を救う。そのことで離れて座っていた主人公と先輩の距離は縮まるのだが、その後の距離がどうしても遠い。題名にある通り、『指先3センチ』。あとわずか。もう少し。もうちょっと。
 でも、それが主人公にとってはどうしようもなく遠い。
 果たしてこの二人の距離はこれ以上縮まるのか?
 皆様も、絶対、主人公と一緒にドキドキできます!
 
 是非是非、御一読ください!

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