ここより地続きな、「現実」。

あの時に起きた出来事が他人事であったことに安堵した人間はどれほど居るだろうか。かくいう僕もその一人である。しかしそれは、遠く離れた現実の末端であるからに過ぎない。そこには紛れもない過酷な事実があり、そこで行動している人々が居る。どこまでがフィクションであるかは、この物語を味わうためにはそこまで重要ではない。ただ、あの日から未だに続いていることの断片に触れて、何かハッとした気持ちになることが出来れば、それこそこの物語に意味があると言えるのではないだろうか。完結が楽しみ、というよりも、じっくりと見守っていきたい。

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