私がもしも青春に帰れるのなら、皆の笑顔に会いたいです。エールを送るよ。

レビュー追記です。第四章完結まで拝読いたしました。

ここは、都内某所にある私立桜坂高校。

個性豊かな生徒達が集い、繰り広げるドラマが、彼らの悩みながらも活き活きとしている様を魅せています。

しかも、そのもようは、綴ってあるのに、映画を観るようなビジュアルでもたらしてくれます。

はじけるような汗とともに描かれる剣道のありかたと迫力と彼らの心情がびんと訴えてきます。

どれをとっても甘くは描かない意気込みを感じます。

そうとはいえ、高校生らしい、春も描かれています。

『第一章 美少女剣士と野獣』

鼻っ柱の強い浅村咲さんが、お気に入りですが、こちらは、光の道とも見えます。

光が光と対峙している感じが胸に訴えます。

普段は、傍から見たら、単にきゃっきゃうふふしております。

『第二章 モブですらない私の生きる道』

大園美羽さんもかなりお気に入りです。身近な感じがするからでしょうか。

美羽さんの咲さんへの劣等感が、影の道だと思います。

辛いのは、恋愛は自分の望みゆく方向にばかり行かないとことです。

『第三章 大きなトドの小さな恋』

藤堂有里さんのすわりのいい安定した性格にも、春が吹き荒れています。

ラスト、私のいたずら書きをした次にしたかったこと、想像してみてください。


『第四章 田中、日本一の兵』

真田秀一くんも咲さんと同じく、名前で弄られてしまっています。

可愛がられているバロメーターなのですが。

真田幸村については、親しみがあったので、真田姓の時代へのおいたも面白く描いております。

隠し玉で、勿論、田中丸が見せ場です。

涼介くんメインで進行しているように見えます。

豪太くんも活躍しておりますよ。

キャラクターの見せ場を作るためと言っても過言ではない、本作は、お手本にしたい作者さまの表現力、構成力にも注目です。

是非、ご一読ください。

◇◇◇   ◇◇◇

剣道と美少女がないと思って読むと視点が変わります。

単なる青春部活ものではありません。

ボクっ娘、咲さんは、自分は剣道で強いと道場破りもどきで男子の剣道部に来たら、先ず涼介くんが相手をしてくれました。

てに汗握る展開で、不意をつこうと牽制し合うも、踏み込んで勝負をつけましょうか?

咲さんは、父が剣道をしているサラブレッドです。

何の悩みもなかったのでしょうか?

負け知らずで来て、鼻っ柱をへし折られたのは誰でしょう!

そして、美羽さん、直ぐに、重大な、決断をしてしまいがちな所があります。

そのことを母に言うと、あっさり、気持ちも切り替われます。

これは、青春時代の、父の像、母の像を表し、陰日向なく支えている家族愛や、男女間にもみえかくれする友情をマチエールを丁寧に追う、青春ストーリーです。

春から始まる青い空は、いつも晴れとも限らない。
多感な高校生の機微に触れてください。

勿論、キメ技まである、剣道も読みごたえ十二分ですよ。

ぜひ、ご一読ください。

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