素晴らしき設定の勝利。君の思う『美少女』を信じろ!

主人公・ヒコザは、現代日本で天寿を全うした後、その記憶を持ったまま異世界に転生した。
しかしそこは、日本とは美醜の感覚が真逆の社会だった!

兎にも角にも、このありそうでなかった「美醜感覚」の設定が素晴らしいと言わざるを得ない作品です。
日本ではパッとしない容姿だったヒコザは、この世界ではかなりのイケメン。
そして男女比率は1:3で、一夫多妻制が認められている世の中。
これでモテないはずがない。
たまにある、ハーレムラブコメで「なぜこの主人公がモテるのか分からない」現象が、設定の妙によって解決されているのです。

さらに特筆すべきは、ヒロイン・ユキの可愛さ。
ヒコザの目には超絶美少女に映る彼女は、この世界では最底辺の容姿。もちろんスクールカースト的にも。
だから自分に自信が持てず、おどおどしてしまう。
ユキにしてみたら、そんな自分を気にかけてくれるイケメンが突如現れて、しかも馬鹿にしてくる学校一の美人(つまりお察し)から庇ってくれちゃったりする訳ですから。そりゃときめきますよね。
ユキがヒコザに惹かれる過程も自然で、好感が持てます。

お話は、ちょっとドタバタな日常生活中心。
しかし何気ないようなことも、ヒコザと周囲の感覚の違いのおかげで、大変面白おかしく描かれています。
文章もすらすら読みやすく、気付けば一気読みでした。
この先も楽しみな一作です。

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