平凡だった俺が異世界基準では超絶イケメンでお姫様の付き人に好かれているようです

白田 まろん

プロローグ

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「ヒコザ先輩!」

「うわっ!」


 俺の視界は現在ミニスカートの下から見える、何ともそそられるプルンとしたお尻の形に沿ったピンクと白のしまパンに覆われている。痴漢か、などと思わないでほしい。別に女子のスカートの中をのぞき込んでいるわけではないのだ。


 この素敵な趣味のパンツの主はユキさんという、俺基準では二度の人生を通してもっとも愛らしいと思う女の子である。俺のことやユキさん、それに俺基準とかいうのは追い追い説明するから少し待ってくれ。今はちょっと取りこんでいて、それどころではないのだ。


「ユキさん、この人たちは一体……」


 尻もちをついていた俺はユキさんの縞パンから目をらせないまま、状況を確かめようとしてパンツに向かって問いかけた。俺たち二人は帯刀たいとうした、俺基準でブサイクな女子たち五人に囲まれて身動きが取れなくなっていたのである。


「目的は分かりませんが、この人たちはヒコザさんを狙っているようです」


 そのパンツの主であるユキさんは、こちらに目を向けることなく応えてくれた。俺からしてみればまるでパンツと会話しているようなものである。何とも素晴らしい景観だこと。


「お、俺を狙ってる?」

「あの制服は隣国の学校のものです。もしかしたらヒコザ先輩の、その……こ、子種が目的……かも知れません」


 そこで真っ赤になったユキさんが俺の方に振り向いた。その瞬間に幸せの縞模様が視界から逸れ、俺の視線が何を見ていたのか気づいたユキさんが両手でスカートの裾を押さえる。


「ど、どこを見てるんですか!」

「あ、いや、その……」

「ふん! そんなブサイク女の下着なんか覗かなくても、私たちがいくらでも見せてあげるわよ」


 いや、いいです、あなたたちのは見たいとは思いません。さすがに女子相手に口にするわけにはいかない言葉を、俺は心の中でつぶやいた。


 ところでさっきユキさんはこの五人が俺の子種をどうとかって言ってたような気がするけど。待てよ、それって逆レイプをしようってことなのか? だとすると俺の童貞がパンツすら見たいと思えないブサイク女子に奪われる危機だということになる。しかも相手は帯刀しているから、それで脅されたら俺にあらがすべはない。何故なら俺は対抗出来る刀のような武器を持っていないからである。


「とにかくヒコザ先輩は私から離れないで下さい!」


 どうやら俺の童貞……じゃなくて運命は、やはり帯刀しているユキさんに託されることになったようだ。ユキさん、どうか負けないで下さい!

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