鬼と契り、縁結ひ

　――不慮の事故で“異界下り”をした七峰七々緒には、異界下り以前の“記憶”が殆ど無い。
　周囲のモノ全てに現実味が感じられない七々緒が唯一現実感を感じるのは、従兄の半田社だけ。
　何故なら彼は、七々緒が異界に下った日、七々緒の“生を選択”した【異界の住人】だから。
　そして、七々緒は対価として、異界と縁を結ぶ【契り】を交わす。

　それは――バケモノによるバケモノ退治の為の【主従契約】だった。
　

　◆人物◆

　・七峰 七々緒(ななみね ななお)
　鬼と契りを結び、異界と縁を結んだ少年。生家は寺。
　幼い頃に異界下りをし、異界のバケモノに襲われた際、“七峰七々緒”としての記憶と感情の殆どを失う。
　異界で“選択”された対価として、“首無し鬼”の眷属となる。

　・半田 社(はんだ やしろ…続きを読む