概要
ふとした高校時代の……
平凡な高校生が遭遇した、平凡な梅雨の、平凡な日常。
ただ、その平凡というのはもっとも難解だということ。
ただ、その平凡というのはもっとも難解だということ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!恋の話であり、思い込みがほどけていく話でもある
退屈な授業、梅雨の空気、深夜アニメ、教室の中の視線、そしてふと近づいた時に感じた甘い匂い。
この作品は、一見すると高校生の不器用な恋や、思春期特有の欲望を描いた物語のように見えます。けれど読み終えるころには、それだけでは終わらない作品だったのだと感じました。
印象的だったのは、主人公が見ている世界の描き方です。
首都高速の音も、教師の話し方も、クラスメイトの仕草も、江藤さんの距離の近さも、すべてが主人公の内面を通して少しずつ意味を持っていく。だから読んでいるこちらも、彼の高揚や戸惑い、期待に引きずられていきます。
でも、その「意味」は本当に相手が与えたものなのか。
それとも、自分がそ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!青春のB面。レコードの針があの日の傷跡を掻き、鎮魂歌を奏でる。
身に覚えがあるというか……
こういう感じの青春(B面)を通って来た人には「あぁ、あぁぁ……!」ってなります。あるいは「ぐ……ぐが……!」っていう感じかもしれません。こうかはばつぐんです。俺たちは目の前が真っ暗になった。
虎と馬が、鍵をかけて封印した青春(B面)の扉を、あの日の教室の引き戸のようにガラガラーッと開けます。そこにいるのは、今日も寝てない自慢をほのめかしながら机に突っ伏している、あの日の私。
自意識が肥大化し、世界か君かと問われたら迷わず後者と即答する日を待ち望んでいた、思春期の私がいます。君のために、開襟シャツを買いに行こう。君のために、まったく知らん洋画を語ろう。やれやれ…続きを読む