運命的な大剣使いの美少女と、その盾となる俺の出会い。

 大剣を用いて鬼退治する美少女と、その盾になった主人公の物語。バトルシーンはカッコよく、学校生活は楽しく、時にシリアスでもある、いろいろな魅力が凝縮されたような作品。
 題名にもなっている遥は、人間の魂魄が異形となって人を襲う「鬼」と日夜戦っていた。そこ居合わせた主人公は、遥の文字通り「盾」になり、共に敵を倒すこととなる。二人の関係は主従であり、同居人であり、クラスメイトでもある。そして主従関係はどちらが上か……。主人公を「盾」と呼んでいた遥が、主人公との関係を通して変わっていくところも見どころだ。
 そして敵も一枚岩ではない。「鬼」は元は人間であり、たとえ異形となってもその人間を想う人間がいる。この人間の「殺さないで! この姿になってもあの子なの!」という叫びは切なかった。そしてそんな人間の前で、大剣を振るわざるを得ない遥の在り方も、切ない。憎まれようとも他人に仇名す存在となった「鬼」を斬る遥の責任は重く、決意の大きさが忍ばれる。しかし、遥の仲間たち(同業者たち)を殺した相手は、「鬼」ではなく、「人間」だった。果たして、誰が本当の敵なのか――?
 また主人公と同じ学校の生徒として、また同居人として、周りの人々とかかわり、遥や主人公の関係性に変化がもたらされるのも魅力の一つだ。様々な人々とその出会い。そして主人公の体の謎。果たして主人公は何故、遥と出会い、盾になることができたのか? 
 まだまだ物語は続いていきます。これからも目が離せない謎多き作品。
 是非ご一読ください。

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