笑いを加速させるネタの二重構造!

転生するはずのプロゲーマーと、転生を支援するはずの女神。しかし話が一向に進まない。

軽妙なやりとりに、次々と新しい仲間が加わり、コントのような展開はどんどん広がりを見せます。


個々のネタのレベルが高いことはもちろんですが、それ以上のこの作品のクオリティを高めているのが二重のネタ構成。

全体のストーリーは「転生が進まない」という一貫したもの。読者が常識としてもっている「すぐ転生するはず」という想いの逆を突きます。物語が不安定に逸脱した状態から始まる、言わば「もしも転生者が転生しなかったら」という設定そのものの妙味があります。

一方で、1話1話ごとには、しっかりと緊張と緩和がある。スキルを貰えるようで貰えない、自己紹介するかと思いきやカツ丼が来る。「ドンデン」と言われるタイプのオチですが、物事の展開がいったん落ち着くかに見せて意外な展開に靡き、その落差で笑わせる。

この結果、作品の中ではプロゲーマーが女神にツッコミいれてますが、更に読者は作品に「まだ転生しないんかい!」とメタにツッコミを入れることができるんですよね。そこが本当に面白い!


全体と個々が違うタイプのネタとして重なることで笑いを増幅させる、素晴らしい構成。皆さんも頭空っぽにしてどうぞ!

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