本物と偽物の違いなんて心の持ちようなのだと感じました

たくさんの個性的なキャラクターが登場する本作は一見キャラ文藝かとも取れますが、全てのキャラクターが一定のラインから前に「跳ね」ません。ですので物語そのものを楽しむことが出来ました。

ライトなホラーであり、友情の物語であり、親子の絆を確認する作業であり、己の深淵に潜む者との戦い。宵待ち姫はそんなお話です。

ラストへと向かう展開は作者様がこのシーンを特に書きたかったのだと解る怒涛の被せ方で、文体は変化していないのに読者は何故かアップテンポで一気読みしてしまいます。さすがとしか言いようがありません。

余談ですが作中に出てきた主人公の父親は私の好きなタイプのキャラで、このキャラでスピンオフを書いていただきたい気持ちが天まで高まっています。

本当に素敵な作品でした。

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