これぞ「ノンフィクション」ですよ。
作者様の実話の、大変シビアなお話です。
端的で読みやすい文章がページを次々送らせますが、内容はサクサクと読んでいいものではないという……。でもサクサク読んでます……。笑
こんな苦境にあり、なぜ作者様は誠実でひたむきな性格を保ち続けられたのでしょうか。
尊敬すると同時に、自分自身の生き様を振り返らずにはいられませんでした。
作者様のこれまでの人生に労いの拍手を送り、私の糧とさせて頂く御礼をするという意味で、拙いながらレビューをお送り致します。
最新で更新を続けている続編?もあるようなので、ちまちまと今後も読んでいこうと思います。
読書の醍醐味のひとつに、活字を通して自分とは違う人生を疑似体験できるというのがあると思います。主人公の生きてきた日々に寄り添うことで、今まで見えてなかったものが見えてきたり、知らなかったことを知る機会を得たりするのです。
この作品は自伝ですので、主人公は作者の龍神さん御自身。
正直に書きますね。紹介文を読んで龍神さんの置かれた過酷な状況を知り、また、作品の最初の方に出てきた「親父に殴られながら育てられた」などの記述を目にしたことで、私は勝手にかわいそうで悲しい物語をイメージしていたような気がします。
ごめんなさい。読み始めてすぐに私は私のなかの偏見に気づかされました。龍神さんはたくさんの辛い思いやご苦労もなさっているのですが、小説から放たれるエネルギーはとても強い。色にたとえるなら、赤。それも黄金混じりの赤です。
『自分の中に本当の敵がいるのだ。死ぬまで自分と闘うのだ』
作中に出てきた一文に、龍神さんの、自身の弱いところを呑み込んでなお、前へ進もうとする強い心が出ていると思います。
この自伝、これから社会に出て行こうとする若い人たちにも読んでほしいな。働くということや、自分の足で自分の日々を生きていくということや……。大切なことを考えるきっかけを、きっとくれるはずです。
最後に━━龍神さんの筆力により、本当に読みやすい文章ですよ。
凄まじいまでの量の情報が、軽々と、実に読みやすく展開されていきます。
そこに描かれている物事は、一言で語ることはできません。
これは日記形式のエッセイではなく、著者様の人生をありのままに描いた、長期間にわたる人生記録です。
その点で、文章というものが、実体験を語る上でいかに有用な手段であるかを思い知らされます。
読みやすいのに重いという、一見矛盾したように見えるのが、読了して思うことの一つでもあります。
この作品は、何らかの評論の対象としてではなく、より真摯に、心に余裕をもって臨むべき文学であると思います。何故なら、上述の通り『人生のありのまま』が描かれているからです。
残念ながら、僕程度の文章力・語彙力・人生経験では、この文学に関して深く述べることはできません。
しかし、多くの方にお薦めすることはできます。
こういう人生、人の在り方、生々しさも在り得るのだということを知ることができただけでも、(妙な言い回しですが)有難いものと思っています。
こうした文学経験のご縁というものは、やはり大切にしていきたいと思う今日この頃です。
私はカクヨムを知りませんでした。たまたま何故見つけたのかも覚えていません。ただ私も子供の頃から酷い生活を送り龍神さんと同じように努力に努力をして私も経営者という立場だった事、精神病の発症、でも私は働きに働いた。精神病に甘えはしなかった。1番どん底の時に見たこの作品は衝撃的であり、初めて私と同じレベルの人に出会えた嬉しさでいっぱいでした。こんな思いをしてまだがんばっている人がいる。偏見かもしれませんが障害者と言うことに甘えている人が多い中で希望でした。今も違う作品を書いていらっしゃいます。私は1日仕事に追われて自分の時間が無い状態ですががんばっている日々に励まされ生きています。障害者の人も健常者の方も理解なんていらない。ただこのような生き方を歩んでこられた人の作品を多くの人に読んでもらいたいと思います。
読んでいくほどに、知るはずもない彼の過去の日常に溶け込まれるような感覚になりました。体力的にも精神的にも厳しい日常を力強く生きている主人公の姿に、お腹の奥から湧き上がるようなチカラをもらえます。
外食産業の裏側など、知らない事ばかりで興味深く面白く読みました。昭和の匂いのする街の成長とともに、彼と彼の出会う人々の会話や関係が、時には悲しく、儚く、狂おしく、時には優しく、温かく、身体にポッと火が灯るような気持ちにさせてくれます。
男の快楽の世界などは、女子からするとあまり知り得ない事も情緒深い会話の描写で読みやすかったです。
まだまだ続きが楽しみです。