繰り返される最後の選択。何が正しかったのか。後悔がなくなることはあるのか。読後も考えされられる内容になっており、短編ながら深いテーマの作品です。文章の行間の使い方が巧みで、行間の空白に、彼女が無言の相槌をしているかのように、感じました。まるで彼の話を穏やかな笑顔で聞いている姿がそこにあるかのようです。また、一見するとホラーではないかと思える衝撃的な内容ですが、カテゴリは「恋愛」。作者さまが伝えたかったことは、彼と彼女の想いなのだと思います。そう思うと、彼の選択の正否は別としても、悲しく美しい物語だと思います。
読みながら、自分自身もハラハラドキドキしました!二度も救うことが出来なかった気持ちが重くのしかかります。「守る」というのが、どのようなことだったのか気になりました。(私の読解力がないだけかもしれません(>_<))どうしたら救えることが出来たのか、そもそも彼女はなぜ飛び降りたのか、最後に主人公が飛び降りない選択をしていたらどうなったのか、いろいろと想像が膨らみます!
サツキのとった行動に、彼の、彼女への強い想いが感じられて、とても良かったです。
飛び降りるシーンはなんだか某物語シリーズのあのシーンを思い出しました。守ろうとした皐月の選んだ選択は一般的には間違っているのかもしれないけれど、それを私はすごいと感じました。守れなかったからこその「〇」の選択。届かないから、それでも欲しいと願ったのならそれはそれで美しく、本物ではないでしょうか。
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