思惑と疑惑、秘密に翻弄される、緊迫のサスペンス

呪い人と呼ばれる生徒の周りでは不幸が起こる。そんな不気味な話が伝わる2年E組に、転校生の橘芽亜凛がやってくるところから、物語は始まります。

謎めいていて大人びた雰囲気を持つ芽亜凛は、文武両道の優等生。ところが、他者への態度はそっけなく、仲良くしているのはクラス委員長である百井凛のみ。彼女たちが仲を深めていく傍ら、二人と何らかの形で接した人が行方不明になる、亡くなるという、不穏な事件が起こり始める。

凛の幼馴染であり、全体を通しての重要人物である望月渉は、一連の出来事に転校生が関与しているのではと考え、疑い始めるが、芽亜凛の反応は謎めいていて振り回されるばかり。増えていく犠牲者の数を食い止め、加速する事件を解決すべく、芽亜凛とのことで衝突しながらも渉と凛は奔走するが――その裏では、悲劇に終止符を打つための戦い、駆け引きが繰り広げられていた。

事件の原因は何なのか? 呪い人とは何なのか? 作中の大きな謎は主にこの二つですが、それ以外にも多くの謎が散りばめられており、とにかく先が気になります。急速かつ衝撃の展開に翻弄され、登場人物たちの傍にいるかのような臨場感、緊張感を味わいながら読めるサスペンスです。