今も昔も、想いの深さは逢瀬一つで変化する☆

小倉百人一首43番目に登場する権中納言敦忠が詠んだ句を、現代版にアレンジした恋の短編。

この句の見所は、好きな相手と結ばれる前と結ばれた後の心情を比較して、その想いに対する強さと後悔を表した部分だと私は思っているのですが、その二点が上手く現代っぽい恋愛模様になって仕上げてあるなぁと感じる事ができます。想いを遂げるまでの主人公の葛藤と、遂げた後に生まれる新たな葛藤に大きな共感を得られる事でしょう。ロマン溢れる和歌の世界と、作者様の綴る美しい筆使いに酔いしれてみてはいかがでしょうか☆

こうなってくると、別の百人一首の句でも作者様の世界観を覗いてみたくなります。