作り込まれた世界観と作り立てのお料理を同時に召し上がれ

主人公のヨースケは、とある事故から突然異世界へ!

しかしチート能力などまるで与えられず、我々と同じように通じない言葉に悩み、慣れない文化に戸惑い、見知らぬ土地での生活に四苦八苦します。

ところが、異世界でも共通するものあり。
それが『食欲』。

世界は違えど、腹が減るのは同じ。その空きっ腹を美味しいもので満たしたいという思いも同じ。

見慣れぬ食材でも、十分、いやそれ以上に素晴らしい料理の数々に、ヨースケだけでなく読んでいる自分まで涎が止まらなくなりました。

そのくらい調理方法と料理の描写がすごいんです!
読んでいるだけでお腹が空いてきて、食べたい食べたい食べたいという欲求に押し流されてしまうのです!!

食事についてばかり触れてしまいましたが、綿密に作り込まれた世界観にも息を飲みます。

ヨースケが徐々に言葉を覚え、この世界がどんなものなのかを知っていくところは生々しいほどのリアリティがあり、まるで自分もヨースケと共にこの『シルディアナ』にいるかのような空気を感じられました。

本編(といって差し支えないのかな?)となる『Sirdianna』も、これから楽しませていただこうと思います。

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