LGBTに興味のない人ほど読んで欲しい


私事で恐縮ですが、私はゲイやレズを扱った、いわゆるLGBTものは苦手でした。
なんというか、抑圧された彼らの生の声が、たまたまセクシャルマジョリティ側に生まれた自分を責めているように感じたからです。
差別しないでと言われても、差別した覚えはないし、我々は抑圧されているといわれても、私は抑圧した覚えもない。ただ無関心なだけなのですが、LGBT問題に興味を持ってと言われ、無関心でいることですら罪悪感が生まれる……。
だからLGBT側に理解を求める作品は苦手でした。

でもこの作品を読んで考え方が変わりました。
主人公はゲイの青年とレズのOLなのですが、彼らはただ生きているだけでした。
ただ生きて、恋をして、泣いて、笑って、……マジョリティと変わらない軽やかな日々。
そこには理解を押し付ける人はおらず、ただ穏やかな日常に、マイノリティ故の悩みが、それでも優しい筆跡で描かれていました。
ああ、そうか共感するって、理解するってこういう事なんだなと思いました。無理に理解しなくていい、興味がないのに興味あるふりをしなくていい。
ただその生き方に一緒に寄り添うだけでいいのだ、と。

お願いです、LGBTに興味のない方。本作を読んでみてください。きっとあなたの抱える罪悪感が消えるはずです。そしてあなたの世界はもっと鮮やかに色づくでしょう。
この作品で感じた共感の力によって。

最後に、作者のへべれけさん。素晴らしい作品を書いて頂きありがとうございました。

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