ずっと父を待っていました。父の代わりに来てくれたのが、彼でした。

いつか外の世界へ飛び出そうと心に決めていた健気な少女と、
目的を抱え、影を負って故郷を飛び出してきた無愛想な少年。
2人を繋ぐ糸は「ヘンドリー・アーベル」という男の名だった。

また、別の一幕がある。

とある田舎町で妻が夫を殺すという血生臭い事件が起こった。
妻の証言に矛盾はないようだが、所轄の刑事は違和感を覚え、
夫の死亡時刻前後に家出したという息子の行方を追い始める。


産業革命期のヨーロッパ某国を舞台としたジュヴナイル作品。
読みやすい文章の中にも格調や気品があって、引き込まれる。
厳しい社会を背景に、少年と少女の逃亡劇はどこへ向かうのか。

続きを楽しみにしています。