罪悪・孤独・無知故の痛ましいまでの純真さ。谷林氏の扱うテーマはどうしてこうも深く胸を抉るのだろう。無知故に少女は世界の禍々しい罪悪を背負う。美しいものが破滅的な悲しみを帯びるのは、世俗の野卑さの反射故であるが少女は肉体の純潔を失って尚魂の純真さを失わなかった。タブーの向こう側にある美しさを描く谷林氏のストイックさに感動を禁じ得ない。本当の悲劇が選択の余地すら無く破滅へ落ち込んでいくことであるならば、この無知な少女の破滅こそ悲劇の結晶であり美しさの結晶である。(と思わずポエマーになってしまうくらい素晴らしい作品です!!)
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