生き生きとした怨霊の言動が楽しい

先ず『事あるときは幽霊の足をいただく!』というタイトルが印象的。
作者さんのセンスが光っていると思う。
本屋の棚で見かけたら、絶対に手に取ってしまうほど気になる。
作品タイトルから受けるインスピレーションというのはとても大事で、自分が読もうと思ったのもタイトルが「美人さん」だからだ。

内容は日常と非日常の対比の妙と、主人公と主人公に取り憑いた怨霊との掛け合いが最大の見所かなと思いました。

文体は一人称で読みやすく、主人公を取り巻く描写が丁寧に描かれていて気持ちの良いもの。ストレスフリーで読み進められます。
言葉遊びなども所々に配置してあって、クスリとした笑いのスパイスが効いているのも楽しい。
生活感溢れる描写も見事。

直情型の主人公と的外れな言動をする怨霊との会話のやり取りが面白く、この作品の魅力になっています。
読んでいて頬が自然に緩んくる妙な愉快さがある。
特に怨霊がボケで真がツッコミ。所により逆、みたいな(笑)
このポジショニングの入れ替わりが面白い。

読み始めれば物語はスイスイと進んでいくので、とにかく一度目を通してみてください。


連載中の作品なので、これから物語がどのように転がってゆくのか楽しみになりますよ。

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