停滞した日々の中、小さな事件が起こったことでいつもの風景が少しづつ色付いていく。文章に惹かれ、主人公の気持ちを一緒に抱えて読んでしまう作品です。
便利にまみれて何かを失った日常から、ちょっとだけ異世界へと足を踏み入れてしまうような出来事が起こる。解釈が興味深く、それを描く文章は確かでついつい読み終えてしまいました。憂鬱そうな前半で始まるのですが、日常生活であるあるという風景ばかりで。それが異世界でどう変わるのか、対比が面白かったです。自分の日常も、ちょっとしたことで変わるかもしれない。と振り返らせてくれる作品です!
光、光、光。人工的に生み出されたそれらに囲まれた中、私達は何が真実で現実であるのか分からない状態に陥っているのかもしれない。そんな時に現れたオーロラは、人間の中の隠されたものをむき出しにした。でもこの作品では、そこに優しさがあった。小さな出会いがあった。私達もいつか、あのオーロラに出会えればいいな。そう思わずにはいられない、心温まる作品でした。
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