三蔵法師が成し遂げた偉業を三度も繰り返した文官がいた!

唐の時代の中国に実在した文官、王玄策の天竺行を語る物語。
中国史にうとい方(主に私です!)にもぴんとくるポイントは、あの『西遊記』の三蔵法師が天竺行を成した直後から始まるお話だってことですね。

玄策さんは生涯の内、はっきりしてるだけで3回天竺行を達成してますけれども、この作品はその史実に基づきつつ情感に満ち満ちたドラマが散りばめられていて、引き込まれずにはいられませんでした。構成がお見事です。

このあたり、作者さんのキャラ立てがうまいのもポイントですね。
顔なんて知らないはずの玄策さんが、読んでると自動的に「とほほ」って感じで浮かび上がってくる感じ。
玄策さんだけじゃなくて、登場キャラ全員がすごく人間臭くて生き生きしてるんですよ。

固くなりがちな歴史ものをここまでやわらかく読ませてくれる作品、はっきり言って希少です! 普段歴史へ触れる機会のない方にもおすすめです。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)

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