こちらの作品は、異世界系の中では異色の作品になるかもしれません。しかし、とても心和む世界観と語り口は、まさに癒し系と言っていいかと思います。
作中にややシリアスな問題を含ませながらも、ストレスフリーで読ませるところや、読者を楽しませようとするあたりは、作者さまの力の入れようがうかがえます。
この楽しませようとする心配りが和みになり、作者さまの世界観にはまる方もいらっしゃるかと思います(私もその一人です)
内容は、異世界でのエルフとの交流を通じて大切なことに気づくストーリーです。主人公とヒロインのやりとり、エルフとの交流の中にキラリと光る笑いのセンスも見所です。
ぜひみなさま、一読して心温まる作品に触れてみてください。オススメですよ!!
ひょんなことから異世界に飛ばされてしまう、文芸部の男子と女子。
そこで二人はエルフ相手に小説を書いてあげるのだが……。
題名から想像できる通り、なんだこりゃな異世界小説。同じようなシチュエーションで同じようなことをいって毎回異世界に飛ばされる二人。果たしてイヌくんの想いはネコ先輩に届くのか? そして二人が書く小説の結末は? 最後に二人はあの強大な魔王を倒すことが出来るのか? ただし魔王は本作ではまだ出てきていないのだが。
ちなみに、同じシチュエーションを繰り返すこの手法、俗称「天丼」であるが、他の作品でも何度か見せてもらっおり、これが案外笑いを取るのに効果的であるようだ。これから結構流行るかもしれない。
作者はこの「天丼」手法と「ちっぱい」を併用してきているあたり、なかなかのセンスの持ち主ある。しかも作中に漂う、微エロ(笑)。あれが純文学というものなのだろうか。
ニヤニヤしつつ読めるため、表情筋が固まっている人にはお勧めだ。本作で「バイバイ、ほうれい線」である。
高校の文芸部に所属する犬飼君は、人付き合いの下手な純文学派青年。
そんな彼が思いを寄せるのは、同じ文芸部の先輩であるライトノベル派の猫野さん。
そんな二人が、彼のとある行動をきっかけに突然異世界に転移してしまいます。
しかも、転移すると二人はなぜかエルフに変身!?
周りをエルフに取り囲まれ、にわかエルフの二人はどうする!?
エルフになったことをきっかけに書いた二人の短編小説が作中作として描かれているのも面白い構成です。
ちょっぴり不思議で、くすりと笑えて、柔らかくてなんだかあったかい。
そんなファンタジーな雰囲気が醸し出ているこの作品。
読み始めるとなんだか癖になってしまいます!