雲間の別鶴

作者 結城かおる

鮑照の詩に託つ

  • ★★★ Excellent!!!

いやあね! なにこれ!
引用しますけどね!

  冰心が使っている灯りに、
  色鮮やかな蛾が飛び込んで、
  じゅっと燃え尽きた。

怖! こっわ!


ボキャブラリーを
うまく漢文調に寄り過ぎないレベルで
調整されつつ、艶やかさを
ふんだんに振り撒いた文章の中に、
突然ねじ込まれる、これ!
これですよ!


でまぁ、これが後半で回収されるわけですが、
うーん、書かない方がいいなこれ。


自分が知ってるのはこの物語の時代より少し昔、
司馬氏の立てた晋代の史書に載る
志怪小説の類なんですが、
晋書の成立が唐代だってことを考えると、
なんかこう、いろいろ薄らぼんやりとした
繋がりを感じざるを得なかったりします。


宦官って生殖機能ぶった切られるわけですけれども、
結局のところ「承認してくれる誰か」を求めるのは、
人間心理として消しようがない。

そいつの姿を、凍てついた鶴と、
春の池に浮かんでいた鴨の対比で描き出す。


うーん、幽玄の世界。志怪的なものは、
自分もどっかで挑戦しておきたいなー。

それもまた、中国史の一面なわけですし。

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