Mechanizedーアイー

　5年も前だった。
　小学生だった僕は、あの家を後にした。
　古びた壁紙、遊んで傷つけた扉の傷、大切だった友達。全てを置いて、僕は遠い場所に引っ越した。
　もう二度と会わないだろう。
　五回、春が過ぎて、また夏が来るその日に、僕は――――
　残したものはないはずだった。
　探していたものは、とうに見つかったはずだった。

　―――――なのに、僕の『眼』には、君が映った。
　

　物語を描く感覚を忘れたくなくて、ダラダラ書こうと決めた、近未来での恋愛小説になります。