評価は色々だろう。読者が其々に想像を膨らませる余地の大きい作品。

フィットネスボールを思い浮かべて欲しい。ボールに座れば凹むし、リズムを刻んで体重を加減すればプヨプヨと弾む。ボールの中には何かが存在する。でも、ボールの表層をナイフで切り刻んでも何も見付からない。無色透明な空気だから、当然だけど。それと似ている気がします。
つまり、読者が何を詰め込むかで、読後の感想は変わると思います。
私の場合、旧世代と新世代の違いをもっと浮き彫りにして欲しかったな、と思いました。例え話でも、出生以外に、二、三の具体的説明があると納得できたんですけど…。
250年の航海時間は江戸幕府の開闢から維新までの時間に相当するので、色々と変化するのは当たり前。船内世界の変遷は理解したけど、人間の感性とか、そこら辺がね。
終わり方も、これもあり、とは思うけど、作者の見解なり展開予想を聞いてみたかったかな。
要望点を書き連ねましたが、だから星2つなのではなく、短編にはMAX2つが信条だからです。