ヒ・ト・ダ・マッ!

澄ヶ峰空

序章 魂《ソウル》

第1話

 人間を人間と定義するものは何だろう。僕はそれは「魂」だと思う。どんな生物にも、物にでも、魂は存在すると僕は思う。

その魂の在り方が、僕や、彼女を人間として生かすのだと思うんだ。己の魂を捨てたものは、生き方を、自分という存在を捨ててしまったものは、この世界では生き残れない。

 このことを僕に教えてくれた人たちがいる。いや、正確には人だけではないけれど、魂の在り方は人でもあり異形でもあった。

そんな二つの生物が手を取り合えたら、世界はよりよい方向に進むはずだろう? 少なくとも、人類はそうやって多種多様な自分たちの手を取り合ってきたんだ。

 これは、人間と魂を喰らう鬼、魂鬼ソウルイーターと呼ばれる二つの生物が手を取り合い、組織を作り出し、世界に抗う物語だ。人々はその組織の名を、魂を祝福し迎え送り出す者、陰陽師の秘密結社、『人魂社』と呼んだ。魂の調和を望み、志す者たちだ。

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