一章 陰陽師と魂鬼《ソウルイーター》
第2話
「今日の講座は陰陽道の歴史Ⅰだ。はい、教科書三十五ページ開いて」
『ほら、ハル、早く教科書開きなよ。三善先生に怒られちゃうよ?』
渚が眠くてたまらない僕の意識を強引に授業へと引き戻す。
今日の一時間目は陰陽道の歴史について学ぶらしい。まああまり集中できる気がしないのだが。昨日は徹夜で働かされていたんだ。桜木さん、人使いが荒すぎる。それにしても、いつから僕の日常はこんなものになってしまったんだろう? まあそれは生まれた日からか、それともあの日しか心当たりはないのだけれども……。
安倍晴明、平安時代後期に活躍した大陰陽師だ。飛鳥、奈良、平安の三時代が陰陽師の最盛期だと一般的には言われている。
なら、陰陽師はもう日本にいないのだろうか?
その答えはノーだ。日本には陰陽師という存在が根深く残っている。だが、それは裏の世界、裏社会での話しだ。ほとんどの一般市民は陰陽師のことなど知らないだろう。だが、僕の家、安倍家はその裏社会に身を置く陰陽師の大家だ。
だが、僕は陰陽師が好きじゃない。いや、嫌いだ。だから僕は陰陽術や陰陽道に関わらないようにして生きてきたんだ。途中からだけど。だけど、ある少女に出会ったその日から、僕の運命は変わっていってしまったんだ。
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