夏の光景が思い浮かんでくる綺麗な描写。何気ない日常の大切さを教えてくれるようなストーリー。ここに至るまでにどんな紆余曲折があったのかを想像させてくれるような素敵な物語です。
作品を読むと、きっと誰の目にも同じ風景が浮かぶだろう。それほどに明確で綺麗な描写。「鬼」という妖しいワードが潜んでいるのにそれが自然に溶け込んでいる。優しく包み込んでいる。なんだか風鈴の下でスイカが食べたくなった。私も太腿を痺れさせたい。
「鬼」という要素が良いですよね。個人的な好みで申し訳ないのですが、妖怪やお化け、特に鬼というワードに、ビビっと来てしまいます。内容も、不思議と微笑ましい。描写はないのに、切ない夏の夕暮れの、日暮だとかの声が聞こえてきそうな、心地の良い物語でした。にぎた
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