蛆は蠅になる。ならば『蛆神様』は、一体どんな小説になる気のか!?

まずは2月13日に書いた、私のレビューを読んでいただきたい。

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『ワンアイデアをユーモラスにまとめるセンスが凄い!』
女子高生ハツナを中心にして、願いごとを叶えてくれる蛆神様によって巻き起こるグロでスラップスティック的?で、ちょっとエロもある掌編集です。

ワンアイデアをユーモラスにまとめるセンスと、女子高生の会話体の構成がうまく、勢いよく読めます。

グロ描写もありですが、とても笑える(ニヤリとする)ので、抵抗がない方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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 これを書いた時点では、私は恥ずかしながら【眼球の章】つまり第38ぐらいまでしか読んでいなかった。上文は、つまり、その時点でのレビューである。いや、その時点でのレビューに「すぎなかった」とさえ言ってしまおう。

 物語が変容するのは、第39話【顎門ノ章】からだ。一話完結だった掌編集は、突如として連続物になる。

 そこで描かれるのは。
 町から突如として消えた蛆神様。その神様のことを覚えているのはハツナだけ…と思っていたのだが…。

 襲われ、殺されそうになるハツナ!
 知らない女からの「蛆神様について聞きたいことがある」という謎の電話!
 そして、今まで蛆神様にはお願いをしてこなかったハツナだが、幼少のころ、じつはお願いをしたことがあったのだ。その内容とは一体!?

 そして物語はどんどん加速して行き、第48話からさらにヒートアップ。
 SF大好きな俺は、もう大興奮。 
『蛆神様』は緻密に組まれた、奇想SFでもあったのだ!

 蛆は蠅になる。
 ならば『蛆神様』は今後、一体どんな小説になる気なのか?
 まだ連載途中だからこそ、リアルタイムで味わえる喜び。

 これは絶対、読んで後悔しない。

 いや、最後まで読み続けろ!

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