ここに出てくる怪異は恐ろしいけれど、人間が適切な距離を置き正しく対処すれば必要以上の悪意を撒き散らさない、精霊めいたものも多いです。しかし人間が埋めた地雷が産んだように見える悪魔、差別を愛国心と言い張る男性等人間の業が剥き出しになる話は悍ましい。
淡々とした語り口がまたうすら寒く、ひやりとする。あっけらかんとした怪談もあり、お国柄がありそうである。
外国の怪談集です。その国だからこそ生まれたのだろうと思われる怖いお話もあり、とても興味深かったです。その一方で、国や文化は違えどやはり「恐怖」はどこの国にもあるものだなと改めて思いました。
よい怪異談を読んだり、聞いたりすると、そういえば自分にもそんな経験があったなと、忘れていた記憶を思い出すことがある。短くて乾いている文章が、現代の民話といった趣を作品に与え、よい雰囲気が出ている。
人の心には、やはり世界共通のものがあるようです。ギリシャ神話と日本神話に妙な共通点があったりするように、怪談にも恐怖という共通点がある事が、よくよく感じられます。文面も、分かりやすくまとまって…続きを読む
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