ファンタジー世界に行ったら食べてみたいもの、あなたにはありますか?
皆が一度は空想するようなファンタジー食材の料理が、ここではいかにも美味しそうに出されます。
他の異世界ものではあまり見ない、ちょっと変わったタイプの食材も登場するかも?
異世界側の個性的なキャラもさることながら、現実世界でも主人公の後輩や謎を秘めた臨時営業主任など濃い人ばかり。主人公もともすれば結構性格悪いと言われそうですが、だからこそ異世界料理を深く味わえるという面白いキャラ造形です。
比較的異世界に気軽に行けるのも含め、大人のエブリディ・マジックと言えるでしょう。
今のところ登場するメニューは素材や調理法以外現実世界とあまり変わらないので、異世界ならではのメニューも今後期待したいところです。
あと亀飼い(あるいは熱烈な某大映大怪獣のファン)の人にはちょっとキツい描写があるのでそこだけは注意。
異世界で食事をする…という系の作品で、食堂とか居酒屋があるけど、どちらもこちら側の料理を、異世界側の人間に提供する形をメインに据えた作品であるため、こちら側の人間に異世界側が提供するというのは、なかなかに新鮮。
異世界…こちらに存在しない魔物やらなにやらを食材として料理した時、どうなるのかは常々思っている所で、それを主役にしたこの作品は、個人的に良いです。
異世界モノって言うと、やっぱり魔法のドンパチとか俺様強いとか、そういう方向の作品が多いので、こういった作品になかなか出会えないという意味でも、これを書いてくれた事を評価します。
異世界の飯テロといったら異世界食堂が思い浮かぶ。
日本の食堂に剣と魔法の世界の住人たちがやって来て、美味しいご飯を食べていくお話。それだけなのに何だかほっこりと出来る連続短編集だ。
これはそんな異世界食堂と対を成す作品に仕上がりそうな予感がする。
異世界食堂とは対照的に訪れるのは異世界の食堂。そしてお客はサラリーマン。だされる料理は異世界の珍味。
異世界食堂とは何もかも反対な作品だが、料理の対価がスーパーで買える調味料だったり、食堂のお客が魍魎もびっくりの人外さんだったり、料理人や食材を食堂に持ち込むエルスのお姉さんたちが強気な美人だったりと、異世界好きや人外好きにはたまらない要素がてんこ盛りなのも嬉しい。
問題は作者様の気力が続くかどうか。
ちゃんと10万文字まで本作が執筆されますように。