読む劇薬

読んでいる間、震えと悪寒が止まらなかった。
自分がずっと感じていて、それでいて気付こうとしていなかった、いや目を逸らしていたものを語彙と表現に富んだ鋭い文章で突き刺され続けた。
「辛かった」のは事実だが、それでも読むのを止められなかった、止めるわけにはいかなかった。一度読み始めたら最期、結末を読むまで心からは血が流れ続ける。
だが、最後まで読み終えた時、読んでいる間の苦痛の意味に気付く事が出来た。耐えることが尊いとか、根性が大事とかそういう話ではなく、辛いと感じることについてだ。

一度読み始めたら読了まで時間はかからないと思うけど、念のため時間や気持ちに余裕のある時に読むことをお勧めします。