お前。なあ、お前だよ、お前。お前は自分の心ってものは石みたいに固くて形の変わらないものだって思ってないか?(意思だけにな、ハハハ)違う。違うんだよ。心は水みたいなものだ。なにかが落ちれば波が立つし、溝を掘ってやればそのとおりに流れるし、四角い壜で汲み上げればその形になる。そんな程度のものなんだよ。わからない?まあいいさ。俺の声が聞こえるってことは、お前はもうお前だけじゃいられないんだからな。
34年間生きてきて、友達もおらず、まともに社会性を築くこともできなかった主人公。ついに精神を病み始め、病院で入院することになるがそこで彼は医者からある薬の治験を勧められる。その薬を飲めばネガティブな…続きを読む
書き表されている内容の好悪と面白さは関係がない、その概念を体現したかのような話です。道行く片っ端から口に突っ込んでおすすめしたいが、それをするのがはばかられるという全く希有な作品です。向こうから語り…続きを読む
性格を薬の力で変えられる、って言われたら、どうする?他人とまともに喋ることもできないお前は、とある薬の治験を受けることになった。「お前」という二人称で綴られる、珍しい小説。その意味がわかった…続きを読む
二重人格物。この作品は乱暴にいったら現代版ジキルとハイドだ。そして世間様から見て元人格のジキルの方がロースペック。薬で作られた人格のハイドの方がハイスペックという、ざっくりいうとそんなお話だ。…続きを読む
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