お前。なあ、お前だよ、お前。お前は自分の心ってものは石みたいに固くて形の変わらないものだって思ってないか?(意思だけにな、ハハハ)違う。違うんだよ。心は水みたいなものだ。なにかが落ちれば波が立つし、溝を掘ってやればそのとおりに流れるし、四角い壜で汲み上げればその形になる。そんな程度のものなんだよ。わからない?まあいいさ。俺の声が聞こえるってことは、お前はもうお前だけじゃいられないんだからな。
性格を薬の力で変えられる、って言われたら、どうする?他人とまともに喋ることもできないお前は、とある薬の治験を受けることになった。「お前」という二人称で綴られる、珍しい小説。その意味がわかった…続きを読む
読んでいる間、震えと悪寒が止まらなかった。自分がずっと感じていて、それでいて気付こうとしていなかった、いや目を逸らしていたものを語彙と表現に富んだ鋭い文章で突き刺され続けた。「辛かった」のは事実…続きを読む
私の師匠のわかつきひかる先生はおっしゃいました。 二人称小説は一般的でないからやめておけと。 でも思いっきり突っ走ります。 精神病質の人が、精神病を感知する薬を飲みます。 すると、突…続きを読む
いつかこの作品がバーンと評価された時に「俺はあの作品があまり知られていなかったころから目をつけていたんだぜ」とドヤるために今のうちからここに記しておきます。 作中でも言及されているように、チャッ…続きを読む
もっと見る