烈の旗の下に　――A7M2空戦記――

1945年。
8月中旬を迎え、戦況の絶望を海軍の士卒さえも実感するなかで、
菅野直大尉は新たに開発が完了した戦闘機・烈風で飛び立った。

史実では戦場を舞うことのなかった烈風がもしも飛んでいたら。
その歴史のifもまた、大局の前ではささやかなものかもしれない。

けれども確かに胸を熱くする、飛行機乗りと仲間と愛機のロマン。
短編だからこその潔い読み口が、心地よいかなしさを連れてくる。

第二次世界対戦中に開発されていた、零戦の後継機『烈風』

実際には戦いに出ることはなく廃棄された新型後継機。
そこには沢山の人たちの希望と想いがあった。

これは、それがもし本当に空を飛んでいたら、敵と一戦交えていたら……というifの物語。
もしかしたら、その先に続くこの国の姿すら、代わっていたのかもしれない。

　烈風の名を知る人は少なく、歴史の影に埋もれた存在としてこの後も忘れられ続けるでしょう。一部の好事家とマニアにだけ、その名は憧れとして記憶され続ける。でも、知る者が少なくとも事実は変わらず、真実は存在し続ける…烈風は、あの零戦の後継機として開発された戦闘機です。自分の住む青森県で、三沢基地にも一時期いた「いつか空を飛んで戦う飛行機」として存在したのです。そのことを後世に伝えたいし、気軽に創作物の中でみんなに楽しんで欲しい。それは、平和な今だからこそ願えることでもあります。今後のストーリー展開に期待です！