男は死に、そして蘇った。胸に大きな傷を負って。


 非常に丁寧に作り込まれた作品世界で構築された、新しいタイプのゾンビ小説。
 ストーリー展開に併せて、徐々に明かされる社会構造も、造語に頼らず、平明な文体で描かれており好感が持てます。

 全く子供向きでは無いストーリーは、時に陰惨な結末を迎えるのですが意外に嫌な感じは残らない。
 その辺にも作者の卓越した技倆が垣間見えます。

 作品は、
『生きぞこない☠ゾンディー2 心臓いっぱいの愛を』に続いており、まだまだ巡と涼歌の物語は続くようです。

 もっと多くの人に読んで貰いたい作品です。