アメイジングな宙に楔を打て

いやいや、圧巻である。

作者の作り込まれた世界観は、最早宇宙とも呼べる空間として私達を取り囲む。
時空を超えて現れたこの物語は私を呑み込んだ。いや、私が時を経てようやく辿り着いたと言えるだろう。

細かに描写され現実として目前に広がる戦闘シーンは、作者の脳内に存在する宇宙の中に私達が漂っている事を認識させる。
その精緻にして壮大なる執筆技術たるや。

本作で取り上げられるテーマは単一、単純では無い。様々なトピックを作者の知識と技術によってこの宇宙へ映し出す。
そこに語られるは「鎖」からの解放。
『造られた少年は、運命の鎖を打ち破る』
この一文が、読者を導くのだ。

が、それが全てでは無い。
作者が発する物語の波が、私達に息を継がせる事を赦さない。

総員、衝戟に備えよ。

圧倒の煌めきを放つラルキュタスを追え。

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